外部ディスプレイやモニターライトでお馴染みのBenQブランドから、最新のUSB4規格に対応したモバイルドック「beCreatus GR10」が登場しました。
Macやラップトップ型WindowsPCのデスクトップUSBハブとして使うのはもちろん、気軽に持ち運べるサイズ感で、モバイル用のUSBハブとしても大活躍。
また、iPad等のタブレット端末やポータブルゲーミングPCの拡張ドックとして使うのも最適な1台です!
本記事では、BenQ beCreatus GR10の主な特徴や外観、実際に使ってみて感じたメリット・デメリットなどをまとめています。
BenQ GR10の主なスペック・外観
サイズ(幅/奥行き/高さ) | 約130 x 55 x 25.5 (mm) |
フリップスタンド対応幅 | 最大21.5mm |
ケーブル長 | 200mm |
重量 | 約187g |
電源 | PD入力(USB Type-C)最大100W |
給電方式 | USBバスパワータイプ |
映像入力端子 | USB4 Type-C ポート(最大40Gbps)× 1 |
映像出力端子 | HDMI 2.1 (最大4K 120Hz/8K 60Hz) ※Mac使用時の対応最大解像度は4K 60Hz |
インターネット | 2.5 Gigabit LANポート RJ-45 × 1 |
USBポート | USB Type-A ポート (最大10Gbps, 4.5W)× 2 USB Type-C ポート (最大10Gbps, 7.5W)× 1 |
BenQ GR10は、最新規格USB4に対応しているモバイルドック。
豊富な接続端子を搭載しつつも、本体サイズは手のひらに納まるコンパクトな仕上がりです。
MacやWindowsのモバイルPC、ポータブルゲーミングPC、iPad等のタブレット端末、iPhoneやAndroid等のスマホ端末など、日々の生活に必要不可欠な各種モバイルデバイスは、その本体自体がスリムかつシンプルな構造に続々進化。
本体の機能だけでなく拡張的に使う…
有線LAN接続による安定したネット接続、HDMI端子で外部ディスプレイに映像出力、周辺機器をUSB接続するためには、モバイル端末自体の限られたUSBーC端子を拡張する必要があります。
そんな際に便利なのが、このGR10のモバイルドックが持つ多彩な拡張機能です。
搭載しているポートは正面に5端子。
上画像の左から順番に取り上げると以下のとおり。
USB Type-C端子×1 | ・給電専用のUSB-Cポート※接続している端末用 ・出力:PD 100W対応 ※接続している端末用の給電。GR10自体はバスパワー駆動 |
HDMI端子 ×1 | ・HDMI2.1対応。 ・最大4K 120Hzまたは8K 60Hz映像出力 |
USB Type-A端子×1 ① | ・転送速度:最大10Gbps ・出力:最大4.5W |
LAN端子×1 | ・2.5ギガビットイーサネット(2.5GbE) ・最大転送速度2.5Gbps(2,500Mbps) |
USB Type-A端子×1 ② | ・転送速度:最大10Gbps ・出力:最大4.5W |
側面には、USB-C端子を1ポート搭載。
USB Type-C端子×1 ① | ・転送速度:最大10Gbps ・出力:最大7.5W |
そして、機器接続用のUSB4対応のUSB-Cケーブルが1本、という合計で7端子構成です。
USB Type-C端子×1 ② | ・USB4対応 ・転送速度:最大40Gbps |
最新USB4規格となる最大40Gbps対応なのは、このモバイルドックGR10と機器を接続する本体内蔵のケーブルが対象。
他のUSB-C端子やUSB-A端子は、前述のとおり最大10Gbps対応まで。
とはいえ、他の端子類で最大10Gbps対応で、大元のこの内蔵ケーブルが10Gbps対応では、同時接続時に転送速度低下が見込まれます。
よって、メインケーブルがUSB4対応で最大40Gbps対応というのは中々インパクトあり、という感想です。
BenQ GR10を使ってみて良かったところ(メリット)
接続端子豊富な小型USBハブ
USBドックは3〜4端子ほど搭載した製品が数多くあれど、やはりモバイル機器をガッツリ使いこなすには、それだけでは足りないことってあるじゃないですか…
USB-CやUSB-A端子はもちろん、HDMI、有線LAN…といった具合で次々拡張したくなること、ほんとあるあるです。
このBenQ beCreatus GR10なら、USB-C端子やUSB-A端子はもちろん、HDMI端子やら有線LAN端子も搭載しているので、コンパクトな本体ながら相当使い込める要素は持っていると思います。
しかも搭載端子の性能も各々かなり優秀。
- 有線LANは手頃かつ速さもそれなりに期待できる2.5GbE対応
- HDMI2.1対応。最大4K120Hzや8K60Hzなど高画質出力ができる。
- 給電用のUSB-CはPC100Wで接続機器をパススルー充電可能
- 周辺機器接続用のUSB-C端子やUSB-A端子は転送速度10Gbps対応で高速
こんな感じで、各端子の性能、めっちゃイイ感じです。
しかもこのGR10というモバイルドック自体は給電は不要で、接続した機器からの電力だけで作動できるバスパワータイプ。最高です。
ちなみに、デスク作業で接続頻度の高いSDカードスロットは非搭載。これはぜひとも搭載して欲しかった。
SDカード搭載なら満点近い評価にもなっていたかと…
拝啓BenQ様。
GR10の後継機種ではSDカードスロット搭載を切に願います。
それなりに良い感じの転送速度
ちなみに、転送速度最大1,080MB/sスペックのCrucial X8 というSSDを接続してみて、転送速度がどれくらい出るか検証してみました。
【M3 Max MacBook Pro↔GR10↔Crucial X8】という接続です。
結果はコレ。
書き込みで896MB/s、読み込みで637MB/s。
普通、書き込みよりも読み込みの方が速く出る事が多いのですが、何故か書き込みの方が速い結果に…
それは置いておいても、コレ、個人的にはなかなか良い結果という感想です。
端子自体の転送速度理論値が、10Gbps=1250MB/sなので、書き込み速度では理論値7割近い数値。読み込みでも半分超えるくらいの数値です。
欲を言えばもうちょっと速度が出てほしい気持ちは正直ありますけど、実務的にこの速度が出ていれば十分活用価値ありです。
動画の読み込み、書き込みといった作業も割と余裕でこなせます。
L字型コネクタ付き&マグネット収納が便利
内蔵ケーブルは背面に埋め込めるタイプ。ケーブル長は200mm、と程よい長さ。
さらにこれを便利に活用できるのが、付属しているL字型コネクタです。
こんな感じでUSB4対応の内蔵ケーブル先端に接続して、機器接続に活用できます。
角度がエグいような機器接続シーンでも、L字型コネクタを介することでスッキリ接続。
ケーブルに対しても折り曲げ負担をかけることなく、ストレスフリーに解放してあげられます。
しかも、このいかにも無くしやすそうな小さなL字型コネクタ。しっかりとマグネット固定できます。
結構強力にくっつくので無くしたり落としてしまうということは、通常使用ではまず無いかと思います。
この収納性、めちゃ便利だし、めちゃユーザーのこと考えてる構造です。神。
モバイル端末を立てかけられるフリップスタンド付き
GR10のフロント部分には注目したいポイント有りです。
ポータブルゲーミングPCやタブレット端末、スマホ端末を立てかけられる、折りたたみ式のフリップスタンドを搭載しています。
このフリップスタンドの溝幅(上画像で垂直方向の幅)は最大21.5mmまでの端末に対応。
タブレットやスマホ端末なら余裕で入りますし、厚みのあるようなポータブルゲーミングPCでもスッポリ収まるサイズ感です。
こんな感じで、iPad miniを外部ディスプレイに映して、ミラーリング使用する時などに便利です。
BenQ GR10の気になるところ(デメリット)
固定デスクトップハブとしては多少クセ有り
この画像見て、あーあっていう部分があるんですよ。
分かる人は分かるかと…ケーブルの勝手方向に注目です。
僕のデスクではM3 Max MacBook Proを母艦機としてクラムシェルモードで外部ディスプレイ接続しているのですが、デスク上の構成としてモニター向かって左側にクラムシェルのMacBook Proを立てかけています。
すると、ディスプレイから伸びてくるコード類は向かって右側から来るのに対して、接続したい先のMacBook Proは左側です。
ですが、GR10のコードは向かって右側から200mmしか伸びていない…
となると、接続の際にはちょっとストレスのかかる設置になってしまいます。
もっかい似たような構図ですがアップした画像載せます。
こんな感じでGR10の右側から接続したいMacBook Proの左側に向けて、短いケーブルをぐにゃぐにゃとギリギリに曲げて使わなければならない状況です。
恐らくGR10よりも右側にクラムシェルのMacBook Proがあれば問題なかった感じかと。
まぁ回避方法は、それなりに色々あると思いますけど、僕のデスクではこんな感じの接続が精一杯なので、デスクの固定用USBハブとして活用するには、ちょっとクセが有る、という個人的な評価を一応しておきます。
フリップスタンド隙間広め→端末によっては相性微妙
そもそもGR10のフリップスタンドは、ポータブルゲーミングPCのような割と本体厚みがゴツいデバイスを想定しているよう。
スペック的にもこのフリップスタンド厚みは最大21.5mmという数値からも分かるかと思います。
対して、僕自身はポータブルゲーミングPCを所持していないため、このGR10のフリップスタンドを活用するときは、iPadのような薄型のタブレット端末を立て替えることに限定されるのですが…
厚みが薄い端末だと、フリップスタンド幅にかなりの余剰スペースが出るのが現状です。
このギャップが多い分、フリップスタンドに機器の全重力を預けて立てかけようとすると、角度的にかなり浅くなります。
こんな感じですね。
この状態を良しとするか微妙とするかは、ユーザー次第となりますが、個人的には角度が浅すぎてちょっと使いづらいと感じました。
なので適度な角度にするためには、この余剰の隙間に何か都合の良いサイズ感の物体を挟みこむ必要がでてきます。
フリップスタンドは便利ですが、タブレットなどの薄い端末では角度調節的に難あり、という点は購入後ショックを受けないためにも理解しておいた方が無難です。
BenQ beCreatus GR10レビューまとめ
USB4対応のモバイルドック、BenQ beCreatus GR10の実際の使用感を交えて、レビューとしてまとめました。
モバイルドック自体がコンパクトなサイズ感でありながら、7 in 1のポート拡張が電源なしのバスパワー駆動できる、というモバイル機器フレンドリーに拡張できるメリットは、ポータブルゲーミングPCユーザーだけでなく、スマホやタブレット端末、ラップトップPCユーザーにとって大きな味方になってくれるかと思います。
特に、固定デスク用途というよりは、外出先で使いたいUSBモバイルドックとして、なお一層利便性が高いツールかと思います。
メリット・デメリット踏まえ、総合的にはメリット勝りであるため、限られた愛用機器のUSB-C端子を大きく拡張してくれるツールとして、この使い勝手の良いモバイルドックの活用シーンは日々結構あると思います。
BenQ beCreatus GR10が気になる方は、ぜひ詳細をチェックしてみてください!
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