ヘッドホンやイヤホンは、ハウジング部分で耳を覆う、あるいはイヤープラグを耳に差し込んで使用するため、大前提として外部との音を遮断する構造が採用されています。
そのため、装着後は耳の中ではパーソナルな音空間が出来ている一方で、身の周りで起きている音を拾い上がることが、構造上どうしても出来ません。
これを解決してくれるのが「骨伝導」タイプのヘッドセット。
骨を通して音を伝えるため、耳を塞ぐことなく音を聞くことが可能です。
今回は、フォーカルポイント社より、業界随一の骨伝導ヘッドホンブランドである米国Aftershokz社の骨伝導ヘッドセット「OpenComm」を提供していただいたので、その使用感をレビューします!
現在「OpenComm」は先行割引価格で購入できるクラウドファンディングが実施されています。
すでに目標額を大きく上回る6000%以上の支援が集まっている注目の案件です。
「OpenComm」の特徴・スペック
米国のAftershokz(アフターショックス)社は、骨伝導業界のパイオニアとして、骨伝導の音楽アクセサリーを世界中に展開しているブランド。
そのAftershokzブランドの新製品として登場し、今回レビューしている「OpenComm」(オープンコム)は骨伝導のヘッドセットです。
人間は「空気の振動で伝わる気導音」と「骨を通して伝わる骨導音」のどちらかで音を捉え、この内、骨伝導とは後者の方を指しています。
骨伝導の詳細の仕組みはAftershokz社の公式サイトで詳しく解説されているため、ここでの詳細解説は省きます。
骨を通して音を伝えることで、従来のヘッドセットで塞がなければならなかった「耳」を開放できることに最大のメリットがあります。
これにより、骨伝導ヘッドセットを使った音楽再生や音声通話をしている時にも、周囲で発生している音を耳でリアルタイムに同時に拾えます。
以下、骨伝導ヘッドセット「OpenComm」の特徴です。
- 骨伝導ヘッドセットで耳を塞がずに音を出力可能
- 角度調節できるブーム式のノイズキャンセリングマイク
- 片手操作可能なマルチファンクションボタン搭載
- 5分の急速充電で2時間再生
- バッテリー最大16時間再生
- 近づけるだけでペアリングできるNFCペアリング対応
- チタニウム製のネックバンドで耐久性と柔軟性が抜群
- IP55等級の防水防塵性能
- 栄えあるグッドデザイン賞2020を受賞
- 購入日より2年保証付き
それぞれの特徴について外観を見つつ触れていきます。
OpenCommの外観
「OpenComm」の本体一式がコレ。
- 骨伝導ヘッドセット本体
- 専用マグネット式USB充電ケーブル
- 収納ケース
- 取扱説明書(日本語対応)
見た目とは反対にコンパクトな仕上がり
左右の骨伝導トランスデューザーを繋ぐチタニウム製のネックバンドがあるため、全体的にゴツいような印象を受けますが、本体重量はわずか33gでとても軽量。
ネックバンド部分はしっかりと形状を保ちながらも、割と柔軟に曲がるので、手元に乗せるとかなりコンパクトに感じます。
首回りに装着するものなので、この軽量感・フレキシブル感はかなり良い感じ。
ブームマイクを搭載し、このマイクにはノイズキャンセリング機能が備わっているので、周囲の音がざわついているような環境でも、クリアな音を届けられるとのこと。
ブーム式のマイクなので、マイクを使いたいときはこのようにマイクを回転させて口元付近にセット。
マイクを使わない時は、さきほどのように収納状態にすることで、邪魔になりません。
ホタン類は片手操作しやすい右側に配置
再生・停止など、さまざまな機能を担うマルチファンクションボタンは、右側のトランスデューザー裏面に設置。
装着しながらでも押しやすい配置です。
音量調節ボタンも同じく右側に。側面にはバッテリーの充電端子口があります。
気になったポイントは、この骨伝導ヘッドセットの「電源ボタン」。
説明書もよく読みもしないで操作していた最初は、マルチファンクションボタンを長押ししていましたが・・・
しっかりと説明書を確認したところ、どうやら「+」ボタンが電源に該当するようです。勘違いでした。
まぁそんなに大きな問題ではないですが、これまでの他製品経験則で使うユーザーからすると、ちょっと最初戸惑うポイントになるかもしれません。
衝撃やキズからしっかり保護できる収納ケース
そして、付属の収納ポーチがかなりしっかりめに出来ています。
見た目もヘアライン加工のような高級感あるデザインで、中の衝撃吸収具合も完璧。
専用にくりぬかれたスペースにすっぽりと納まります。これジャストにハマって気持ち良いです笑
メッシュポケットも内部になるので、充電ケーブルやちょっとしたものなら一緒に収納可能です。
カチッとくっつけるマグネット式USB充電
昔のタイプのMacBookや今のiPhone 12シリーズで採用されているマグネット式のMagSafeのごとく、OpenCommの充電もマグネット式でカチッとくっつけて給電を行います。
反対側の端子はUSB-A端子。
付属ではUSBアダプターがないため、充電するには別途自分で持っているUSB-A対応のアダプターが必要です。
このマグネット式充電では、急速充電に対応し、5分の充電で2時間使用できるバッテリー回復能力を持っています。この爆速回復力はかなりスゴいです!!
万が一という際にも、ちょっとした充電ですぐに使えるようになるので、充電緊急時の対応も◎評価です。
「OpenComm」の装着感
では実際に「OpenComm」を装着してみます。
自分自身での装着写真が上手く撮れなかった(正確には全然写真映えしなかった・・・)ので、嫁さんに協力してもらいました!笑
こちらは耳部分。
骨伝導デューザーやブームマイクは露出しますが、耳を塞がずにその前方の、いわゆる”こめかみ”部分にあてがう感じです。
ネックバンド部分は耳にかけてから首後ろにまわします。
髪の長い女性だと、このようにネックバンド部分が髪の内側に隠れるため、外観的には何か装着している感じをほぼ醸し出しません。
髪を押さえつけるようなこともないので、スタイリングした外観にも影響はなさそうです。
そして、33gという軽量感どおり、装着してもほとんど違和感がなく、長時間装着していても全く疲れませんでした!
装着による違和感も全くなしです。
音楽再生とオンライン通話をして音質・使用感をチェック
骨伝導ヘッドセットは初めての利用。
音楽再生とオンライン通話を使って音質や使用感をまとめています。
骨伝導ヘッドセットで音楽を再生した感想
骨伝導ヘッドセットでの音楽再生は人生で初めての体験。
音が聞こえるまでは本当に耳付けていないのに音が聞こえるのか・・・と半信半疑でしたが、実際に再生が開始されるとしっかりと聞こえました!すごい技術ですね、コレ。
たしかに耳部分には覆うモノが何もない状態であるにも関わらず、しっかりと僕の聴覚に音が届いています。
そして、その骨伝導による音は自分自身にしか聞こえていません。
廻りにいる他の人に聞いても僕が何を聞いているか全くわからないと言われるので、いわゆる“音漏れ”もしていないようです。
ただし、音質は耳を密閉するタイプのヘッドホンやイヤホンよりは、若干劣ってしまうような感じはします。
というのも低音部分が大きく響きません。
どちらかというと、中音域や高音域の伸びが良く聞こえる感じで、低音部分がちょっと物足りないかなぁ。
耳を開放した状態ではこのような音ですが、耳を指で塞ぐと、低音がかなり響くようにまた全く違った音質に変わるのには驚きました。
周囲の音を取り込まなくても良ければ、耳栓をして骨伝導ヘッドセットを利用するというのも、音質の改善策の1つとして使えるかと思います。
通話用途では文句なしの品質と使い勝手
続いてはオンライン通話で利用してみました。
ブームマイクの形からも想像がつくように、この骨伝導ヘッドセットは恐らく通話用途をメインとして作られたモノ。
通話での音質はかなり良いみたいです。
というのも、一緒に通話していた相手に、通話終わりに通話音質について意見を聞いた話ではありますが・・・
『いつものマイクでの通話と比べて、かなりクリアな音声で聞きやすい』ということでした!!音量も最適。
ブームマイクのノイズキャンセリングがかなり効いているのでしょう。クリアな音声での通話ができました。
また、通話中に耳を塞がないため、自宅でリモートワークをしている時は、家にいる小さな子どもの声や反応を聞き逃すこともありません!
オープン仕様の骨伝導ヘッドセットでは、このような良い意味での「ながら通話」ができます!!
通話中の相手の声もしっかりと聴覚に届いてきます。
しかも、耳は塞いでいないため、他の音が常に耳に入ってきている状態ですが、骨伝導によりしっかりと相手方の通話している声が聞こえます。
通話するのであれば、耳を塞がずに聞こえる骨伝導ヘッドセットはかなり利便性が高いポイントです!
まとめ
使ったことのないユーザーからすると、骨伝導ヘッドセットという存在は、本当に骨伝導という技術が大丈夫なのか・・・音が聞こえやすいのかどうか・・・と不安に思ってしまうこともあるかもしれません。
今回使ってみて分かったのは、使用前に思っていたあの不安な思いは全て杞憂だったということ。
音楽再生はもちろん、通話利用では抜群の音質が使い勝手で活躍してくれます。
骨伝導ヘッドセット「OpenComm」はこんなユーザーオススメです!
- ヘッドセットの音を聞きつつ、耳を開放した状態で周囲の音を聞きたい人
- 自宅でリモートワークをしている人(特に子育て中の人!!)
- ながら通話をしたい人
- オンライン通話の音質を向上させたい人
- ビジネス利用で通話をメインのヘッドセット探している人
AfterShokzブランドの骨伝導ヘッドセット「OpenComm」は、現在GREENFUNDINGにて、11月末頃まで支援を受け付けています。
すでに6000%以上の目標達成率で、実用化はまず間違いにないとおもうので、ご安心を。
記事作成の現時点では、まだ10数パーセントOFFになる支援メニューが残っているため、少しでも割引価格で購入したいと考えている方は、クラファン終了までにぜひ支援してみてください!