こんにちは、ガジェットブログ『MONOTIVE』をお読みいただきありがとうございます。
運営管理人のニノ(@fatherlog)です。
大きく広がる満天の星空は、子供の頃から大人になった今も変わらず、壮大に広がる素敵な世界ですよね。
星・月・太陽など…空を見上げた先にある宇宙空間は僕たちの身近な存在でありつつも、多くは未知の世界であります。
そんな神秘的な天体の様子をスマホやタブレットアプリと連携して観測することができるツールとして、今回は「BEAVERLABスマート天体望遠鏡」をレビューします!!
- スマホアプリと連携できるスマート天体望遠鏡
- アプリで4K画質の天体観測画像や映像を取り込める
- 収納ケースや専用フィルターなど付属品が充実
- 太陽や月といった大きな被写体の観測向き
- 画角調整が難しい
- 被写体が大きいものでないと撮影しづらい
- 星の撮影には不向き
本記事はメーカーより物品提供を受けています。
記事内容は、一切の忖度はなく筆者自身が感じたままの自由記述です。
BEAVERLABスマート天体望遠鏡「Finder TW1 Pro」について
BEAVERLAB(ビーバーラボ)スマート天体望遠鏡は、香港発のテクノロジーブランド「BEAVERLAB TECHNOLOGY CO.,LTD」が手がける製品。
このほか、同社ではスマート顕微鏡や木製のおもちゃなどを手がけていて、学童期の子ども達に適した科学探究心を育むような製品を得意としているような印象です。
今回のBEAVERLABスマート天体望遠鏡も、他社の何十万円もするようなプロスペックのスマート天体望遠鏡ではないものの、太陽や月・星などの初歩的な観測にはピッタリな内容かと思います!
BEAVERLABスマート天体望遠鏡の主な特徴・スペック
BEAVERLABスマート天体望遠鏡の主な特徴とスペックは以下のとおり。
- 焦点距離:500mm、口径:82mm(f/6.1)、屈折式の天体望遠鏡
- SONY製CMOSイメージセンサーを搭載
- スマホアプリと連携して天体観測を楽しめる
- 観測した様子を4K画質で動画や写真に保存可能
- 2way雲台で調整操作が簡単
- 三脚・ケース・太陽観測フィルターなど付属品が充実
製品名 | BEAVERLABスマート天体望遠鏡 (Finder TW1 Pro) |
サイズ | 約100×90×130 mm |
重量 | 約3.4 kg |
イメージセンサー | SONY-CMOS IMX 335 |
カメラ解像度 | 500万画素(2,592×1,944) |
フォーカス方法 | マニュアルフォーカスのみ(AF非対応) |
口径 | 82mm |
焦点距離 | 500mm(f/6.1) |
拡大倍率 | 1-500x(スマホアプリ) |
バッテリー容量 | 1700mAh |
対応OS | Android 8.0/iOS 12.0以上 |
BEAVERLABスマート天体望遠鏡の外観チェック
それでは、BEAVERLABスマート天体望遠鏡の外観を簡単にチェックしていきます。
こちらが、パッケージの中身一式。
- スマート天体望遠鏡(雲台付き)
- ファインダー
- キャリーケース
- 画像収集器
- スマホホルダー
- 伸縮式三脚
- 太陽観測専用フィルター
- 取扱説明書・星座早見盤
天体望遠鏡本体に加えて、三脚やキャリーケース、スマホホルダーなどが一通り一式セットになっているので、製品購入後は特に他に用意するものなく、天体観測に出かけられる内容です。
天体望遠鏡本体は2リットルのペットボトルほどの筒断面形状で、それなりに迫力のあるサイズ感。
天体望遠鏡の根本部分には、三脚固定用のコンパス付き雲台を持つ一体型の構造をしています。
先端のレンスカバー。ミラーレス一眼カメラの超望遠レンズのようなたたずまいです。
夜の天体観測であれば、このレンスカバーを外し、日中の太陽を観測する際にはこのレンスカバーの上から専用のフィルターをセットします。
天体望遠鏡の末端部分に取り付ける画像収集器。
SONY製のCMOSセンサーを採用し、スマート天体望遠鏡の高性能な画像処理を実現しているコア部分です。
こちらは、標準付属品となるキャリーケース。
それなりにしっかりした造りで、スマート天体望遠鏡・三脚といった大きなモノや・画像収集器などの細かなアクセサリーまで、全てこの中に収納可能です。
スマート天体望遠鏡を設置できる三脚は伸縮式。
公式仕様に記載はありませんが、恐らくこちらはアルミ素材を採用しているっぽいです。
伸縮式の三脚を伸ばすとこんな感じ。
軽量な割にしっかりとした安定感があり、望遠撮影する環境がしっかりと整いそうです。
BEAVERLABスマート天体望遠鏡を設置してみた!
BEAVERLABスマート天体望遠鏡の組み立て設置は簡単!早速設置してみます。
まずは雲台付きの天体望遠鏡本体を三脚の台に差し込みます。
スマート天体望遠鏡を三脚から落下させないよう、付属のネジで固定します。
工具など必要なく手回しだけでしっかり固定可能です!
続いてファインダーを差し込んで、こちらも軽くネジ固定しておきます。
ここは設置作業で一番大事な工程。スマート天体望遠鏡の心臓部分、充電しておいた画像収集器を回し込みながら、天体望遠鏡本体へ設置します。
この画像収集器を設置していないと、いくらスマート天体望遠鏡を除いても何も映りません…!!忘れずにしっかりはめ込んでおきましょう。
ここまで完了したら、スマホやタブレットにBEAVERLABスマート天体望遠鏡と連携できるアプリ「BEAVERLAB Point」というアプリをインストールします。
インストール完了したら、アプリの画面指示にしたがって、アプリとスマート天体望遠鏡の連携設定を行います。
デバイス選択画面で右上の「天体望遠鏡」をタップして、設定作業を進めていきます。
アプリと連携設定する際には、画像収集器の電源を長押しして起動しておきます。
画像収集器のステータスは、ボタン周囲のLEDランプで知らせてくれます。
アナログ的な存在だった天体望遠鏡が、一気に近未来的な天体望遠鏡へと変わる…そんな雰囲気をグッと感じます!!
こんな感じで、組み立て作業とアプリとの初期設定作業を含めて10分もかからないくらいで終わりました。(体感は5分くらいです!!)
非常に簡単に組み立てられて、連携設定も分かりやすい内容なので、組み立てや設定作業が苦手な方でも全く問題ないと思います!!
BEAVERLABスマート天体望遠鏡を使って実際に天体観測してみた!!
スマート天体望遠鏡の観測性能を簡単に検証
さっそく、BEAVERLABスマート天体望遠鏡を使って天体観測をしてみることに。
と、その前に…BEAVERLABスマート天体望遠鏡によってどれくらいの望遠距離が撮影できるのかを体感するために、庭先で性能チェックしてみます。
庭先に置いている花から10mくらいの距離をとり、BEAVERLABスマート天体望遠鏡で望遠観察してみました。
本体一式に付属しているスマホスタンドを使って、さきほどアプリ連携した状態のスマホ(タブレット)を固定しておきます。
ある程度、観測したいもの(今回は花)に天体望遠鏡本体脇のファインダーで照準を合わせたらアプリ画面上で微調整します。
アプリ画面上にボヤっとした観察物が表示されたら、手元のMFダイヤルを使ってピントを調整します。
こちらが望遠撮影できた庭先のお花たち。
花の輪郭や葉っぱの様相、全体的なカラーコントラストなど、わりと観察したい範囲の映像がハッキリ分かるようにレンズで捉えられていて、望遠撮影として結構良い感じの画質で撮れているという印象です。
ただ、天体望遠鏡の横方向の向きや角度を少しでも変えると、大きく画角が変わってしまうため、観測(撮影)したい画角への天体望遠鏡の角度/向き調整が結構難しいです。
スマホ画面を見ながらの天体望遠鏡の角度・向き調節が結構ムズい…
日中の天体観測、「太陽」を観察してみる
続いては、専用フィルターを設置した上で太陽を観測することに。
専用フィルターなしで観測するとイメージセンサーが焼けて壊れるので、太陽観測時は太陽観測フィルターの設置は絶対に必要です!!
太陽は、天体望遠鏡の被写体としてはかなり物体なので、さきほどの花とは異なり角度/向きの照準が合わせやすいです。
スマホの画面上(天体望遠鏡の画角)に明るい物体(太陽)が写り込んだたら、あとはMF(マニュアルフォーカス)でピント調整。
MFの精度にもよりますが、大体こんな感じで見えます。
明るい球体がまさに太陽そのものですが、球体中心よりやや上部分ら辺に、黒点(周囲より温度が低い点)が写り込んでいることが分かります。
小中学生の頃、教科書で習った太陽黒点が目の前でしっかりと観測できたことに感動!!
この太陽黒点を観測できた時は、僕はもちろん、一緒に観測していた子ども達もさすがに興奮しながら喜んでいました!!
天体観測は宇宙を神秘的に感じている子ども達にとっても、とても興味深い内容と実感です。
天体望遠鏡から画像収集器を通じて得たアプリ上の映像は、アプリの機能によって露出/倍率/コントラストなどの画像編集が可能です。
デフォルトでは全項目が「A(オート)」の状態になっているので、何もしない状態でも特段問題ない画像を取り込めると思いますが、微調整したい場合はアプリ上で各パラメータを変えると良いでしょう。
夜間の天体観測、北極星を観察してみる
続いて、夜間の天体観測。
たくさんの星や月など、夜空こそ天体観測を本当に楽しめる場所、という期待を込めて観測開始です。
本当はメーカー公式で紹介されているような月の観測を行い、月表面の色やクレーターの様子を観測したかったのですが、僕の地域では梅雨シーズンに付き毎日が曇天…
ようやく夜空が晴れたのは新月のタイミングだったため、月の観測ではなく…今回は夜空の中でも一番明るく輝く北極星を観察してみます!
北極星とは言えども、先ほど日中に観測した太陽と比べて、星はかなり小さな被写体。
ファインダーで大体の標準を合わせ、アプリ画面上で北極星が写り込むよう、天体望遠鏡の角度/向きを微調整しますが、コレが本当に大変でした…
やっとの思いで北極星が写り込み、アプリで取り込んだ画像がコレ。
MFもそれなりに頑張ったのですが、ぼくの器用さではこの画像が限界です。
白っぽく輝いている星ですが、実はオレンジ色の発光をしているんですね。これは驚き。
しかし、MFで頑張ってもこのボヤっとした感じが限界なので、星表面の観測というような淡い期待には届きませんでした…
もっとも、この北極星の画像を撮るのでも一苦労したという経験の方が随分と重荷に感じました。
というのも、北極星に焦点を大体合わせた後、角度と向きを固定しようと天体望遠鏡の固定ネジを回していると、その固定時の微妙なネジ回しの揺れによって画角がずれてしまいフレームアウトするため、また北極星へ焦点を大体合わせる…という堂々巡りの繰り返しに。
「星」の観測は、画角調整がかなりレベルが高い作業と感じ、正直ストレスを感じざるを得ませんでした…
画角調整の難しさをストレスに感じることも…
恐らく「月」のような「太陽」クラスの被写体大きさであれば、そこまで画角調整でストレスは感じなかったと思いますが、地球からみて粒のような存在である星の観測は、画角調整がかなり難しいというのが本音。
しかも夜間なので、手元まわりは暗く操作しづらい環境。
加えて、アプリ画面に表示されている映像も真っ暗だと、これは気分が暗くなっても無理ないかと。
なので、星の観測は全力でオススメできません…
被写体が小さければ小さいほど、アプリの画面を見ながらスマート天体望遠鏡の角度/向きを微調整する、という作業は本当に難しを極めます。
BEAVERLABスマート天体望遠鏡を使った夜間の天体観測は、月の観測が丁度良いと思われ、星空観測は期待しない方が良いというのが僕の評価です。
まとめ:画角調整が難しいことがネック。太陽や月の観測ぐらいが丁度良くスマート天体望遠鏡の入門機としては良いのかも。
今回、スマホと連携したスマート天体望遠鏡を初めて体験してみました。
スマート天体望遠鏡による一連の観測を通して感じたのは、画角調整の難しさを感じる場面が多くあること。
例えるなら、ミラーレス一眼カメラを使った撮影に似ているような感覚です。
カメラで撮りたい画角の映像をしっかりと納めようとした場合、ミラーレス一眼カメラのファインダーをのぞき込んで確認しながらシャッターを切る、という方法が圧倒的にやりやすいです。
一方、ミラーレス一眼カメラのモニター上に表示される画像を見ながらカメラ画角を合わせてシャッターを切るのは、結構難を極める作業であるというのが持論です。
そんなモニターを使ったカメラ撮影のもどかしさのような感覚を、このスマート天体望遠鏡を使った天体観測でも感じたのは間違いありません。
ただし、天体望遠鏡としてその撮影性能や望遠観測性能が悪い訳ではなく、太陽観測でも紹介したいように、むしろ遠くにある大きな天体であればクッキリと撮影することはできるため、「太陽」や「月」といったメジャーな被写体の家庭観測用途としては適任かと思います。
小学生くらいまでの子供が使用する天体観測の入門機としては丁度良く活躍してくれるツールかと思いますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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