こんにちは、ガジェットブログ『MONOTIVE』をお読みいただきありがとうございます。
運営管理人のニノ(@fatherlog)です。
最近では押印レス化、ペーパーレス化が随分と浸透し、紙媒体を扱う機会が少なくなってきました。
書籍界隈でも、実際のモノである新刊・文庫本・雑誌を購入するよりは、スマホ/AmazonKindle/楽天Koboといった電子デバイスを使った読書をする人も多いかと思います。
そんな中、本の電子化、いわゆる「自炊」スキャナーを専門に扱う人気ブランド「CZUR(シーザー)」から、10周年記念のフラッグシップモデルとなる高速・高性能なスキャナー「CZUR ET24 Pro」が登場!
本記事では、「CZUR ET24 Pro」の主な特徴やスペック・実際に使ってみて感じたことなどをレビューとして紹介します。
手元にある物理的な「本」を非破壊で裁断することなく簡単に電子データ化したい、という人はぜひ参考にどうぞ!!
- 2400万画素、320dpiの超高解像度かつ高速なスキャン性能
- 裁断は一切不要。非破壊で簡単に電子データ化
- 光量が多く、高品質でキレイにスキャンできる
- 自動湾曲補正機能で分厚い本もキレイに読み込み
- HDMI接続で手元カメラとして外部出力・投影も可能
- A3サイズまでのスキャンに対応、A2結合に対応
- スキャナー本体のサイズが大きいため収納場所の確保が課題
本記事はメーカーより物品提供を受けています。
記事内容は、一切の忖度はなく筆者自身が感じたままの自由記述です。
CZUR ET24 Proの主な特徴・スペック・外観
CZUR(シーザー)は、本を電子化する”自炊(じすい)”界隈ではお馴染みの超有名メーカー。
必要な機能が揃ったエントリーモデルから、今回のET24 Proのような高性能・多機能性あるフラッグシップモデルまで、多くのオーバーヘッドスキャナーを取り扱っています。
以前、MONOTIVEでは、「ET24 Pro」の前機種にあたる「CZUR Lens Pro」や「CZUR Shine」のレビューも行っています。
これらスキャナーで定評のあった機能を踏襲しつつ、さらにプロモデルとして高性能化されたのが、これから紹介する「ET24 Pro」となります。
CZUR ET24 Proの主な特徴・スペック
CZUR ET24 Proの主な特徴・スペックは以下のとおり。
- 2400万画素、320dpiの超高解像度かつ高速なスキャン性能
- 裁断は一切不要。非破壊で簡単に電子データ化
- 光量が多く、高品質でキレイにスキャンできる
- 自動湾曲補正機能で分厚い本もキレイに読み込み
- HDMI接続で手元カメラとして外部出力・投影も可能
- A3サイズまでのスキャンに対応、A2結合に対応
製品名 | CZUR ET24 Pro |
本体寸法 | 375×220×390mm |
重量 | 約1.5kg |
スキャン速度 | 1秒/枚 |
対応する本の厚み | A3:35mm A4:50mm |
センサー/解像度 | SONY製CMOSセンサー 2,400万画素 320dpi (5,696×4,272ピクセル) |
LCD液晶 | 2.4インチ (320×240) |
USB | PC接続:USB Type-B |
HDMI | ○ (出力専用) |
対応OS | Windows 10/11 macOS0.13以降 Linux |
【比較】CZURシリーズ他スキャナーとのスペックの違いは!?
今回、新たにフラッグシップモデルとして名を連ねた「CZUR ET24 Pro」
他のCZUR製品と比べると、どのような違いがあるのか…簡単なスペック比較として、以下まとめました!
製品名 | ET24 Pro (今回レビュー) | ET18 Pro | ET16 Plus | Lens Pro | Shine Ultra Pro | Aura S Pro |
---|---|---|---|---|---|---|
画素数 | 2,400万画素 | 1,800万画素 | 1,600万画素 | 1,200万画素 | 2,400万画素 | 2,000万画素 |
解像度 | 5696×4272 | 4896×3672 | 4608×3456 | 3968×2976 | 5696×4272 | 5248×3936 |
DPI | 320dpi | 275dpi | 250dpi | 330dpi | 320dpi | 300dpi |
スキャン速度 | 1秒/枚 | 1.5秒/枚 | 1.5秒/枚 | 1秒/枚 | 1秒/枚 | 2秒/枚 |
対応スキャンサイズ | A3まで (結合A2対応) | A3まで | A3まで | A4まで | A3まで | A3まで |
HDMI出力 | ○ | × | × | × | × | × |
クラウド対応 | × | ○ | × | × | × | × |
サイズ | 375×220×390mm | 375×220×390mm | 375×220×390mm | 78.5×105×352mm | 330×158×335~410mm | 372×180×443mm |
重量 | 約1.5kg | 2.0kg | 2.0kg | 0.427kg (427g) | 1.0kg | 1.48kg |
価格 ※2023年9月 | 94,500円 | 77,000円 | 67,000円 | 20,800円 | 45,100円 | 75,800円 |
CZUR ET24 Pro本体の外観
CZUR ET24 Proのパッケージ中身一式はこちら。
- ET24 Pro本体
- サイドライト
- フットペダル
- ハンドボタン
- 作業マット
- 電源アダプター
- 指サック(左右×1つずつ)
- USBケーブル(PC接続用)
- 変換プラグ
- インストールCD
- 取扱説明書
書面からみると、結構な大きさを感じる筐体サイズ。
例えるなら、スリムタイプではない大きめのデスクライトって感じです。
本体背面側。
台座下部分に端子類が集結している他、柱の中間点にはサイドライト接続用の端子があります。
電源スイッチの他、PC接続用のUSB Type-Bポート、フットペダルorハンドボタン用のUSB Type-Aポート、外部出力用のHDMI端子を備えています。
台座部分には4つのボタンを配置。
- スキャンボタン
- ズームインボタン(HDMI出力時)
- ズームアウトボタン(HDMI出力時)
- LEDライト調節ボタン
スキャン作業時は、接続したPCアプリ上で細かな設定を行うのが基本なので、正直本体ボタンの出番は少なそうです。
ヘッド部分には、2400万画素の高画質カメラの他に、10基のLEDライトを搭載。
この効果でスキャン読み込み時の照度は十分に確保でき、鮮明な電子データ化が可能です。
ヘッド部分には画質がそこまでよくないものの、プレビュー確認用としては十分使えるLCD液晶を搭載しています。
光沢紙のような本は光りが反射して読み込みデータが白潰れしてしまうため、それを防ぐためのサイドライトが標準で付属しています。
接続時は、ネック途中の端子にカチッとマグネット式で接続すればOK。
サイドライトには4基のLEDライトが搭載されています。
スキャン操作時は、PCアプリ上でのスキャン操作か、本体台座のスキャンボタンを押す他、付属のフットペダルorハンドボタンを用いたスキャン実行操作もできます。
スキャン操作時は両手が塞がることがお多いため、圧倒的に左側のフットペダルでのスキャン実行操作をオススメしておきます。
ET24 Proの本体デザイン、なかなか良き。
CZURシリーズ製品はほとんどがプラスチック素材で出来ているモノが多い印象ですが、ET24 Proはフラッグシップモデルということだけあって、柱部分にはアルミ削り出しのような素材が使われるなど、スタイリッシュな印象にも注目です。
CZUR ET24 Proのアクセサリー(オプション)
スタジオボックス
スキャンする際の周囲環境の影響を大幅に軽減し、より鮮明なスキャン作業ができるようになる「スタジオボックス」。
こちらはオプションのアクセサリー品です。
連結式支柱ポール、ジョイント、カバーが同梱されています。
仕組みは簡単で、立方体にするための各辺のポールを接合し、ジョイントで接続し組み立てます。
立方体状になったら外側のカバーをかぶせます。
後述しますが…このカバーを被せる工程が結構大変な作業でした…
スタジオボックスが完成。作業時間は20分ほどだったかと。
内側は反射仕様になっているため、CZUR ET24 Pro本体のLEDライトを効率良く拡散し、被写体をさらに自然に明るく照らすことで、より鮮明でキレイなスキャンができます。
背面側にはケーブルを出し入れできる小窓があり便利です。
アシストカバー
表紙の写り込みをカットし、さらなる正確なスキャンができる「アシストカバー」。こちらもオプション品です。
広げた左右それぞれのカバーをマジックテープでくっつけたら完成。
ここに本の表紙カバーを、アシストカバー裏に挟みこむようにして、作業マットの上に設置することで、表紙映り込みを防げる効果があります。
ただし、アシストカバーがなかったとしても、実際のスキャン作業にはそこまで影響はないので、予算に余裕がある人以外はアシストカバーがなくても全く問題ないと思います。
CZUR ET24 Proを実際に使ってみて分かったこと(メリット・デメリット)
ここからはCZUR ET24 Proで実際にスキャン作業をしてみて分かったこと、メリット、デメリットなど所感をまとめました。
簡単作業で高速・高画質な本の電子データ化!本への影響も一切無し!
CZUR ET24 Proの心臓部分とも言うべきスキャン機能。
実際にCZUR ET24 Proを使って10冊ほど書籍をスキャンしてみたところ、高速なスキャン速度ながら精度の高い認識力を持ち、湾曲している本でも正確に電子データ化してくれる優秀なスキャン性能であると感じました。
200ページ強ある書籍を見開きでスキャンすると、湾曲している状態であってもこれを自動補正して画像化してくれます。
実際のスキャン例はこんな感じ。
著作権の関係上、加工していますが、実際のスキャンしたデータは文字の色やディテールまでくっきり捉えていて、再現度の高いスキャンデータかと。
見開きとはいえ、書籍として左右繋がっているページを自動で1枚ずつ分けてスキャン、さらに湾曲補正して画像化してくれるプロセスをわずか1秒でこなしてくれるスゴ技です。
ただし、200ページ強をスキャンしている中で、時に読み込みがうまくいかない時も…
ページをめくる→親指で両側を抑える→フットペダルでスキャン確定、という作業を繰り返す中で、僕自身の親指を押させる位置が悪いせいか、上記のような読み込み画像になってしまうこともあります。
スキャン範囲に指だけでなく腕が映り込んだり、他の物体が映り込むと、画像処理がうまくいかずスキャン失敗の元に。
このような場合は、スキャン時の他物体映り込み状況をもう1回確認して、問題なければ再度読み込みでOK。
200ページ強の書籍を全スキャンする中で3〜4回くらい起きましたが、特にストレスも感じずに、全体的にスムーズにスキャンできたという印象の方が大きいです!!
1冊(200ページ強)の書籍をスキャンするのにかかった時間は、ほんの10分間ほど。作業時間的にもそこまで負担にならないウェイト感です。
画像の鮮明さがわかる例を。こちらは書籍ではないんですが、日本国憲法前文をA4用紙に印刷し、それをスキャンしたデータです。
一文字一文字がハッキリと映り込んでいて、紙媒体そのままの状態が電子化されています。
ET24 Proのメイン部搭載LEDライト10基・サイドのLEDライト4基、合計14基もの照明があり、作業マット上の資料を鮮明に捉えられる環境としては抜群。
それをET24 Pro搭載の2400万画素の高画質カメラで高速スキャン。
これら性能を介して生成されたスキャンデータの完成度は文句無いレベルの仕上がりです!
スキャン後の画像データはかなり鮮明です!!
もちろん、本を裁断・破壊することなく、そのまま残せます!!
使いやすいスキャンツール・アプリ
スキャン作業は、CZURアプリをインストールしたPCに接続して行います。
このCZURのスキャンアプリの使い勝手が良く、読み込みデータ種類の選択、色味、ディテール調整など、多彩なメニューが用意されています。
こんな感じで、カラーモードでの色味調整や明るさ調節、スキャンデータの回転・トリミングといった微調整、Word/PDF/TIFF等の形式可能なデータ書き出しにも対応しています。
アプリ使いやすさは抜群!読み込み後のスキャンデータ加工や管理がめちゃ楽です。
また、このような状態でスキャンマット上に角度が曲がった資料を置いたとしても、タテヨコ真っ直ぐ水平垂直な画像へと自動補正。
このように、資料の置き方の曲がり、本の湾曲、複数レシートの一括読み込み、抑えている指の写り込み除去など、ある程度のスキャンデータ調整は自動でCZURアプリ側で行ってくれます。
CZUR ET24 Proを使うユーザーにとって、本・資料を置いてスキャンボタンさえ押せば、スキャンデータをそれなりに整った状態の基本形に自動調整し、かつ瞬時(1秒)でデータ化してくれる恩恵は相当大きく、スキャン作業効率の爆上げに繋がります!
OCR機能がなかなか優秀
CZUR ET24 Proでは、スキャンで読み込んだ資料の文字起こしをしたい時に便利なOCR機能が使えます。
この機能が結構便利で、100%そのまま、とまではいかないものの、ほぼ完璧な99%くらいの超高精度でスキャンした画像を文字起こしして文書データ化してくれます。
左がスキャン後の元データ文面、右側がOCRで文字起こしした文面です。
比較すると、OCR機能を利用した文字起こしデータでは赤丸を入れた4ヶ所のみ文字違いという結果に。
全部で640文字あるので、誤字率はわずか0.6%ほど。認識精度は99%を越えています。これはかなり優秀!
セルフタイピングでミスタッチ、誤字入力するよりも、OCRの方が誤字が少なそうです!
この文面1枚のOCR文字起こしはわずか2〜3秒ほどで出力されたものなので、大量の文書データがあってもそこまで時間をかけずに文字起こし化できるかと思います。
紙媒体からの文字起こし作業をしたい人にとって、相当な力強い味方になることでしょう。
スタジオボックスの組み立てが意外と大変
CZUR ET24 Proのオプションとして用意されているスタジオボックス(一般販売予定価格13,000円 )。
その名にふさわしく、組み立てると周囲の環境光を始めとした影響を箱で囲むことで一切シャットアウトし、光が拡散しやすい簡易スタジオを作れる優れモノです。
完成後は、よりスキャン作業環境を理想に近づけてくれる一方で、組み立て工程の一部がそれなりに大変でした。
芯棒の組み立て、ジョイント接続までは簡単なんですが、最後のカバーを被せる工程に入ると状況が一変。カバーがピッタリサイズに作られていて外枠沿うように通せません…
説明書をよく見ると、外枠を完全に完成させてから被せるだけでOK的な絵が書いてあるんですけど…多分これ無理です。
外枠寸法より周囲2cmくらい小さいカバーの開口内側に対して、物理的に外枠を通せないです…
解決方法として、一度組み上げたポールを外して余力を作り、枠が大きく崩れないようにしながらカバー装着することで対処。
こんな感じで、スタジオボックスの組み立てには、20分ほど時間がかかりました…
スキャン作業の度にスタジオボックスを組み立てて終わったら収納、という使い方が理想ですが、この使い方は採用することは難しそうです。
ボックス手前側の細いカバー部分がマジックテープみたいなもので取り外しできるようになっていれば被せられたと思うので、この辺は今後のアップデートに期待です。
収納場所の確保が課題
CZUR他製品の折りたたみできるタイプとは異なり、ET24 Pro本体サイズはなかなかの大きさ。
デスクに置くと、それ1台でデスク上をほぼ占めるようなサイズ感です。
スキャン性能が良い反面、本体のデカさにはある程度の覚悟が必要です
スタジオボックスを装着すると巨大基地の完成…ちょっとデカすぎる。
CZUR ET24 Proは便利なスキャンツールである一方で、出しっぱなしにしておくと、それ以外のデスク作業が出来なくなってしまうため、やはり使わない時は収納という行為がどうしても必要になるかと思います。
ET24 Pro本体だけでも収納場所をそれなりに占有するので、収納スペースを事前に確保しておくことを強くオススメします。
CZUR ET24 Proレビューまとめ:旗艦モデルにふさわしい高速・高画質な自炊スキャナー
CZUR ET24 Pro実機使用後の所感まとめとしては、設置スペース占有と収納時の大きさは唯一気になるものの、スキャン性能やアプリ使い勝手に関しては文句なしのフラッグシップモデルといった感想です。
書籍の自炊はもちろん、紙媒体で配布された資料の電子化、レシートや帳票類管理のための電子化、文字起こし等々、CZUR ET24 Proが1台あると、身の周りの電子データ化が飛躍的に捗り、より一層デジタル管理できる環境が整います。
- 高速かつ高画質で品質確かな本・書類スキャナーを探している人
- 本や雑誌を電子化してスマホ・タブレットで読みたい人
- 紙配布された子供の学校配布物を電子データ管理したい人
- 電帳法改正対応(ペーパーレス対応)として、レシートや帳票類を電子管理したい人
- OCR機能で紙資料の文字起こしを効率よく短時間で行いたい人
- 手元紙資料をHDMI外部出力してディスプレイ共有したい人
- スキャナー使用後、ある程度の収納スペースが確保できる人
CZUR ET24 Proは、現在、クラウドファンディング「Makuake」にて一般発売価格94,500円のところ、先行販売価格として最大35%割引での購入可能です。
数量限定なので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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