「液タブ」という言葉だけ聞くと、デジタルで絵描きをする人が使うモノ、というイメージがあるかと思いますが…
そんな既存概念に風穴を開けてくれるデバイスの最新板がHuionから登場。
本記事では、数多くの良コスパなペンタブレットを展開しているHUIONの「Kamvas Slate 13」をレビューします。
これから液タブでデジタル絵を初めたいという人や、液タブだけでなく手書きメモや気軽にスケッチできるタブレット端末としても使いたい、という感じでマルチ用途ツールとして考えている人におすすめです。
全部揃うオールインワンなパッケージ

Kamvas Slate 13の主な特徴やスペック面に触れていく前に、まずは、Kamvas Slate 13のパッケージに大注目。
通常このようなタブレット系製品はケースやスタイラスペンが別売であることがほとんど…ですよね。

このHuion Kamvas Slate 13は特別版でも何でもない、通常版のパッケージですが、このように同梱されているアクセサリー内容が非常に豪華。
以下、すべてが標準版のパッケージに含まれています。
- Kamvas Slate 13本体
- レザーケース
- H-Pencil(スタイラスペン)
- 交換用ペン先×3
- USB-C-Aケーブル
- パームリジェクショングローブ
- カード取り出しPIN
- クイックスタートガイド

特に、この「レザーケース」は付属品のクオリティとは思えないほど、質感の高い作りになっている保護ケースです。

しかも、この付属ケース、角度調節が2段階可能で、こんな感じで斜め設置できる構造になってます。
ケースの一部にはスタイラスペンの収納ポケットも完備。

さらにさらに!
フォリオケースの蓋を閉じると画面はオートでスリープ状態に。
使いたいときは広げてすぐにウェイクアップしてくれます。
また、専用のスタイラスペン「H-Pencil」も本体セット品として、同梱されています。ありがたい!

わざわざアクセサリーを別途買い揃えなくても、オールインワンなパッケージとして展開されている点は、単純に費用的にも余分な支出が不要になるのでお得です。
加えて、使用するユーザー的にも、Huion Kamvas Slate 13買ったその場から、アクセサリー類全て揃っていてすぐに使用開始できることが使いやすく感じるポイントかと思います。
主な特徴・スペック

では、あらためて、Huion Kamvas Slate 13の主な特徴と性能面を見ていきます。
まずはスペック面から。
CPU | MTK Helio G99 |
RAM | 8GB |
ストレージ | 256GB (microSDで最大1TBまで) |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 |
搭載OS | Android 14 |
カメラ | 背面13.0MP / フロント 8.0MP |
センサー | ジャイロセンサー、地磁気センサー、ホールセンサー、光センサー |
ディスプレイサイズ | 12.7インチ |
解像度 | 2176 x 1600(QHD) |
コントラスト比 | 1000:1 |
サイズ | 280.6 x 211.8 x 7.5mm |
重量 | 682g |
Huionが展開する数多くの液タブの中でも、このKamvas Slate 13は12.7インチのスタンドアローン型Androidタブレット。

サイズ的には、持ち運びできるギリギリくらいのサイズという感じ。
タブレットとしては、12.7インチという大きさは大画面ディスプレイに相当するので、通常よく出回っている11インチ級のタブレットと比べると1周りか2周りほど大きなサイズ感。
手書き作業する領域や、コンテンツ閲覧時に画面の大きさをしっかりと感じられるスペックかと思います。

チップはMTK Helio G99で、OSはAndroid 14を搭載。
スペック的には数年前ほどのミドルレンジスマホってぐらいの処理能力だと思います。可もなく不可もなくってとこ。
手書きを伴うクリエイティブなデジタル作業や、日常的なタブレット使用、簡易的なゲーム用途くらいであれば、全く問題なく使いこなせる使用感です。

カメラ性能もなかなか優秀。背面カメラは1300万画素、内側カメラは800万画素です。
タブレット搭載のカメラとしてはそこそこ良い感じのスペックとなっていて、撮影した画像をそのまま取り込んで手書き作業する、なんて使い方もできて便利です。
液タブ性能・ペンの使い心地

Kamvas Slate 13はタブレット端末ですが、Huionシリーズの製品としては、やはり付属のスタイラスペンを使った液タブ的な性能はどんなもんかってとこ。
Kamvas Slate 13には、パッケージの標準付属品でH-Pencilという、専用のスタイラスペンがついてきます。
カラーはブラック。稼働はUSB-Cによる充電式です。

Apple Pencilに似たような構造ながら、本体の素材は金属仕上げ。見た目のスタイリッシュ感と高級感は相当高めです。
そして、重量感はかなり軽め。長時間のライティング作業でも疲れない感じですね。
ちなみに僕は絵描きの人ではないので、手書きメモや手書きスケッチで色々使ってみました。

タブレットのデフォルトの状態で人気ある手書きアプリが4つインストールされています。
- HiPaint
- HiNote
- Clip Studio
- ibisPaintX
手書きノートアプリのHiNoteを使って色々ためしてみます。

H-Pencilは、4096レベルの筆圧検知と60°の傾き検知に対応しているので、ディスプレイ上でも直感的に思ったままの手書き作業をそのままデジタル再現してくれます。これは優秀です。

ただし、1点気になるのは「ジッター」と呼ばれる、描画した線が若干ブレる問題。
この数々書いた線の左側の書き出し位置を見ると、ほんの少しだけ線がグニョグニョっとぶれています。
ペン先のスピードを速めに走らせると、そう大きくはジッターを感じないのですが、ゆっくり丁寧めに動かすと、体感レベルでかなり分かる感じです。
気にしすぎかもしれないレベルですが、ほんの気持ち、やっぱ気になるレベルって感じですね。

ただ、対策としては割と早めにH-Pencilを走らせたり、あるいは時間経過による慣れもあると思うので、この辺は時間が解決してくれる問題だと思います。

総じて、H−Pencilを使った手書き作業の感想をまとめるなら、「ジッターは多少あれど…かなり正確に手書き作業をデジタル化できて満足レベル」という具合なので、個人的な所感としてはいい感じの印象を持っています。
紙のような質感。見やすく書きやすいディスプレイ

Kamvas Slate 13には、ナノエッチング加工のソフトライトスクリーンが採用されています。
画面に映り込む光は、直接的に反射せず、やわらかに分散して、反射を抑制しています。

厚みを抑えつつも正確な描画ができるラミネーション加工なので、手書き作業時は、本物の紙に書いているかのような質感を味わえます。
よくある人気のペーパーライクフィルムを貼っているかのような質感かそれ以上のクオリティです。
なので、書き心地自体はかなり優秀です。
加えて、指紋もつきにくいディスプレイなので、このままの状態でもきれいに継続して使える点がGoodです。
日常生活でのタブレット利用はどんな感じ!?

Huion Kamvas Slate 13は、手書き作業が捗る液タブ的な使い方ができるだけでなく、Android OSを搭載しているので、日常使いのタブレット端末として使える点が特徴です。
12.7インチQHDの大画面なので、WEBコンテンツの閲覧にはかなりもってこいなサイズ感。

こんな感じでフォリオケースの角度調整を使って、YouTubeなどの動画視聴をするのも最適です。
4つも搭載しているスピーカーが、それなり厚みある音を出してくれるので、音質的にも特に問題なし。

むしろ、コレ、13インチ級のタブレットとして、音質は優秀寄りかと。
大画面タブレット端末として、音質含め普通に快適な動画視聴ができます。

それから、Adobe Ligthroom CCを使った画像編集作業もしてみました。
これもサックサク動作。明るさやコントラストなどぬるぬると各パラメータいじれて、至って快適作業です。
RAW現像した写真ファイルを弄るにはそれなりに処理能力を要しますが、このKamvas Slate 13のスペックで問題なく作業できる感じですね。

それから内側カメラは800万画素あるので、ある程度キレイな画質でのビデオ通話をする、という使い方もおすすめです。
こんな感じで、手書き用の液タブ的な使い方にとどまらず、WEB閲覧や動画閲覧、画像編集やビデオ通話など、日常的な使い勝手であれば、特に問題なくこなせる優秀なマルチタブレット端末であると思います。
手書きタブレット入門機に最適

手書き用途としても使えて、日常的なタブレットニーズにもしっかり答えてくれるのが、今回のコレ、Huion Kamvas Slate 13だと思います。
「手書き作業を始めてみたいけど、液タブではなく、やはりタブレット的な使い方もしたい …」
そんなよくばりなニーズを持っている人にピッタリ!マルチ用途をこなしつつもスッキリ使えるAndroidタブレット端末だと思います。
これからデジ絵を始めたい人や、手書きノートを使ってクリエイティブしたい人など、気になる方はぜひチェックしてみてください!
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