こんにちは、ガジェットブログ『MONOTIVE』をお読みいただきありがとうございます。
運営管理人のニノ(@fatherlog)です。
簡単な会話程度の外国語ならしゃべれるという方も多いかと思いますが、普段から英語や第二言語を使い慣れていない人にとっては、海外に出ると大きな言葉の壁を感じることが多いですよね。
そんな言葉の壁を手軽に解消してくれるのが、近年注目を集めているリアルタイム翻訳機というツール。
今回は、リアルタイム翻訳機を中心に製品展開しているTimekettleというブランドから「WT2 Edge」「Fluentalk T1」という2つのリアルタイム翻訳機をレビュー・比較してまとめました!
本記事はメーカーより物品提供を受けています。
記事内容は、一切の忖度はなく筆者自身が感じたままの自由記述です。
2つのリアルタイム翻訳機「WT2 Edge」「Fluentalk T1」
Timekettle社(タイムケトル社)は、2016年に設立され、AIとハードウェア技術を組み合わせたリアルタイム翻訳機を中心に製品展開している深圳発のスタートアップ企業。
生活や仕事のあらゆる場面で異なる言語でコミュニケーションが取れるような没入型の翻訳機開発をモットーとしている注目株です。
今回は、そのTimekettle社のリアルタイム翻訳機の中から、ワイヤレスイヤホンタイプの「WT2 Edge」、コンパクトな端末タイプの「Fluentalk T1」という2機種の実機レビューをします。
WT2 Edgeの主な特徴
WT2 Edgeは、ワイヤレスイヤホンタイプのリアルタイム翻訳機。
完全独立タイプの左右イヤホンを耳に装着しスマホアプリと連係することで、40種93言語対応のリアルタイム翻訳が可能になります。
Timekettle WT2 Edgeの主な特徴は以下のとおり。
- 左右完全独立、ワイヤレスイヤホンタイプのリアルタイム翻訳機
- 40言語93アクセントの双方向同時通訳が可能
- イヤホン単体で3時間稼働、専用充電ケース併用で最大12時間利用可
- 双方向同時通訳モードやスピーカーモードなど5つの多彩なモード搭載
- 一部言語ではオフライン翻訳にも対応(有料オプション)
- 重さ4.5gの筐体で軽い装着感
Fluentalk T1の主な特徴
一方で、Fluentalk T1は、スマホ端末のような形状をしたリアルタイム翻訳機です。
サイズ感的にはクレジットカード寸法をもう少しタテ長方向に大きくしたくらいのコンパクトなサイズ感が特徴で、連携するスマホ端末不要で、Fluentalk T1のみでリアルタイム翻訳機能を利用できます。
Fluentalk T1の主な特徴は以下のとおり。
- 4インチディスプレイ搭載の端末型リアルタイム翻訳機
- 40言語93アクセントに対応
- 2年間のグローバル通信に対応(購入後2年は通信契約不要)
- ワンタップ翻訳をはじめ、4つの翻訳モード搭載
- 8組13言語のオフライン翻訳にも対応
「Timekettle WT2 Edge」「Fluentalk T1」のスペック比較
「Timekettle WT2 Edge」と「Fluentalk by Timekettle T1」、2つのリアルタイム翻訳機の主なスペックを以下比較としてまとめています。
項目 | WT2 Edge | Fluentalk T1 |
---|---|---|
製品形状 | ワイヤレスイヤホンタイプ | 端末タイプ |
対応言語 | 40言語93アクセント | 40言語93アクセント |
オンライン翻訳 主要な対応言語 | 日本語、中国語、広東語、英語、韓国語、イタリア語、フランス語、ドイツ語など | 日本語、中国語、広東語、英語、韓国語、イタリア語、フランス語、ドイツ語など |
オフライン翻訳 | △ ※別途有料でカード購入で8組13言語 (英語・中国語・日本語・フランス語など) | 〇 8組13言語 (英語・中国語・日本語・フランス語など) |
連携スマホ | 要 | 不要 |
双方向同時通訳 | 〇 | × |
音楽再生 | × | × |
音声通話 | × | × |
2機種のリアルタイム翻訳機は、対応する言語が40言語93アクセントと同じであるものの、大きく異なるのは、ワイヤレスイヤホンか端末タイプか、という形状の違いが挙げられます。
また、ワイヤレスイヤホンタイプのWT2 Edgeは、スマホ連携して通信利用することで双方向同時通訳を可能にしていること、Fluentalk T1は、端末タイプで2年間のグローバル通信付きなのでスマホアプリが不要であること、といったそれぞれのメリットもあります。
WT2 Edgeの外観をチェック
では、まずワイヤレスイヤホンタイプのWT2 Edgeの外観をチェックします。
こちらがTimekettle WT2 Edgeの中身一式。
- ワイヤレスイヤホン本体(充電ケース)
- 脱落防止用の耳フック
- イヤホンサイズ調整用のシリコンカバー
- 充電用USB-A to USB-Cケーブル
- 取扱説明書一式
- Timekettle Fishカード(※オフライン対応パックに付属する引換用カード)
WT2 Edgeの充電ケース本体は、丸味を帯びたケース形状が特徴的で、白を基調としたスッキリデザインの外観です。
どことなくAppleのAirPodsに似たような印象を受ける感じかも。
充電ケース下部には、ケース自体の充電残量を4段階で表示するLEDインジケーターを搭載。
充電ケースを開けると、左右独立のワイヤレスイヤホンがそれぞれ収納されています。
このケースに収納すると充電ケース本体からワイヤレスイヤホンへ直接給電されて、ワイヤレスイヤホンの充電が可能です。
Timekettle WT2 Edgeの自動翻訳機能を使うためには、スマホにTimekettleアプリを事前にインストール・連携しておく必要があります。
Timekettle
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Timekettleアプリを起動したら新規接続画面が表示されるので、Timekettle WT2 Edgeの充電ケースを開いてイヤホンを近づけると、連携設定が完了します。
アプリとの連携設定は至って簡単です!!
Fluentalk T1の外観をチェック
続いて、Fluentalk T1の外観をチェックしていきます。
パッケージ写真からもわかるように端末タイプの形状が特徴的な自動翻訳機。
パッケージには、自動翻訳機本体の他、ストラップ、USBーC充電ケーブル、SIMピン等が入っています。
こちらがFluentalk T1の端末本体。
タッチパネル搭載のスマホ端末のような形状で、クレジットカードよりも少し大きいくらいのコンパクトなサイズ感です。
本体下部にはマイク・スピーカー・充電用USB-C端末、ストラップホルダーを構えています。
端末側面には3つのボタン類を配置。
- 黄色→電源ボタン
- 青色→相手が話す外国語を集音・翻訳ボタン
- 赤色→ユーザー自身の母国語を喋り翻訳するボタン
青色と赤色の翻訳ボタンについては、ワンタッチ翻訳機能などで便利に使用できるショートカット的な物理ボタンです。
電源ボタンを押すと4インチのディスプレイにFluentalkのロゴが表示され、約1分弱で起動が完了。すぐに各翻訳モードが使えるようになります。
ボタンと反対の側面には、nanoSIMカードスロットを搭載。
2年以上に亘って、Fluentalk T1を使いたい場合は、このSIMスロットの必要性が出てきます。
Fluentalk T1にはデフォルトで2年間のグローバル通信機能が付いているため、起動設定後2年以内であればnanoSIMカード挿入による通信契約がなくても、オンライン翻訳が可能です。
背面には8メガピクセルのカメラを搭載。
スマホのような写真・動画撮影用のカメラではなく、印刷物などの文字をこの背面カメラで読み取らせて行う画像翻訳機能で使います。
【実機検証】WT2 EdgeとFluentalk by T1のリアルタイム翻訳機能を使ってわかったこと
ここからは、Timekettle WT2 Edge、Fluentalk T1をそれぞれ使い、自動翻訳機能を実機で検証してわかったことや、2つの翻訳機を比較してみた所感をまとめました!
WT2 Edgeの翻訳精度はそれなりに良き結果!
自動翻訳機の評価で一番重要でな項目は、その翻訳精度ですよね。ユーザーとしても自動翻訳機を選ぶ上で最も重要な項目かと思います。
そこでWT2 Edgeのタッチモードを使って翻訳精度を検証してみることに。
とはいっても中々海外に行くタイミングもないため、今回は自宅内での検証。
イヤホンを装着し、妻(日本語)・僕(英語)の2人がレストランでの注文時を想定し、簡単な会話をしてみました。
店員役の僕が「What would you like to drink?」とワンフレーズ言い終わるタイミングで、すぐに妻のイヤホンからは日本語で「飲み物は何にしますか?」と女性の翻訳音声が流れます。
女性の自動翻訳音声は機械音声感が強めですが、そんなに大きな違和感なく聞き取れます
その後も上の画像のような会話を続けましたが、翻訳精度もバッチリです!!
時々、文脈に違和感を感じるような翻訳になることはありますが、スマホアプリのテキスト画面を見たら「あ、そういうことね、」と理解できるレベルです。
こんな感じで、自動翻訳自体は大きなタイムラグを挟むことなくすぐに翻訳した音声をイヤホンから出力してくれるので、比較的スムーズな流れのままお互い異言語で会話ができました!
機敏かつスムーズに翻訳してくれるWT2 Edgeのリスニングモード。ただし動画用には不向き
続いて、リスニングモードでApple製品発表の英語スピーチを日本語訳してみました。
次々と登壇者が製品紹介を英語で話していくなか、アプリ上の画面には1単語1単語ハッキリと認識し、同時に日本語訳を生成。
そして、耳に装着しているイヤホンからは翻訳された日本語音声が流れてきます。
ただし、登壇者は次々と英語で話している状態に対して、アプリで日本語翻訳してイヤホンから日本語音声を出力するスピードは釣り合っておらず、動画画面内の動きとイヤホンから出力される翻訳音声に相当なタイムラグが発生し、スピーチ内容の把握は正直難しい感じです…
このような理由からYouTubeや映画といった動画コンテンツには推奨されていないのだと思います…
リスニングモードでの画面上テキスト生成だけに限っては、英単語認識と日本語訳生成がかなり高速であり、かつ日本語訳の精度もそれなりに高いため、自動翻訳機の根本的な部分はしっかり機能していると評価しておきます。
会話での自動翻訳利用なら適度な「間」が存在し、自動翻訳後のタイムラグをしっかり吸収してくれるので、スムーズなコミュニケーションに繋がると思います!
Fluentalk T1の翻訳精度もWT2 Edge同様、それなりに優秀!
もう1台の端末タイプの自動翻訳機、Fluentalk T1の翻訳精度もそれなりに優秀です。
WT2 EdgeとFluentalk T1の2台を使い、同じ英語動画(Appleスペシャルイベント)の日本語翻訳を生成してみました。
すると、下画像のように細かな単語聴き取り結果は違えど、ほぼ同じ文脈の日本語翻訳をしていることが分かります。
これは恐らく、WT2 EdgeもFluentalk T1も同じオンラインサーバーの翻訳システムを利用していることによるものと思われます。
つまり、翻訳精度の比較という面では、WT2 Edge・Fluentalk T1のどちらも優劣は付けづらく、むしろ両者ともそれなりに精度の良い自動翻訳機能を体験できるという感想です!
見知らぬ相手にイヤホン装着してもらう、WT2 Edgeのハードルの高さ
ワイヤレスイヤホンタイプのWT2 Edgeでサイマルモードやタッチモードの自動翻訳を利用する場合、自分に1つ、そして相手にもう1つのワイヤレスイヤホンを装着してもらう必要があります。
家族や友人といった比較的関係が近い人間であれば良いかと思いますが、初めて会った見知らぬ相手にイヤホンを装着してもらうことは、正直かなりハードルが高い行為になると思います…
リアルタイムで翻訳してスムーズなコミュニケーションが取れるのは確かに便利ですが、イヤホン装着のお願いまでは…実際できなそう…
ということで、WT2 Edgeの使用用途としては、比較的顔馴染みにある関係性が近い人物に限られるという点がデメリットとしてあげられます。
一方、Fluentalk T1なら端末タイプのディスプレイを介したコミュニケーションになるため、イヤホン装着のような心理的ハードルはありません。
見知らぬ相手に対しても、コミュニケーションしやすいかと思います。
しかし、ワイヤレスイヤホンタイプのWT2 Edgeとは異なり、Fluentalk T1は独自に通信利用する必要があるため、2年間の無償グローバル通信期間を経過した場合は、SIMカードによる通信契約が必要。
ランニングコストがかかってしまうデメリットがあります。
「WT2 Edge」「Fluentalk T1」のメリット・デメリット
WT2 EdgeとFluentalk T1のそれぞれのメリット・デメリットを簡単にまとめるとこんな感じです。
項目 | WT2 Edge | Fluentalk T1 |
---|---|---|
メリット | ・スマホアプリと連携 ・擬似2台持ちをしなくて良い ・スムーズな会話でコミュニケーション | ・スマホがなくても利用可能 ・見知らぬ人でも画面越しで翻訳コミュニケーション可 |
デメリット | ・イヤホン片側を相手に装着してもらうこと ・相手のイヤホンでこちらの声を拾ってしまう誤認識有り | ・画面を通したやり取りのため時間を要する ・2年間の無償通信期間後は通信契約したSIMカードが必要 ・擬似2台持ちのような感覚で持ち物が増える |
どちらの自動翻訳機にも一定のメリット・デメリットが存在するので、実際に自動翻訳を利用したいシーンを想像して、最適な製品を選択すると良いかと思います。
個人的に総合するなら…WT2 Edgeの方がオススメ!!
普段使い慣れているAirPods的な感覚で気軽に使えます!!
Fluentalk T1の画像撮影翻訳は精度低め
もう1点、Fluentalk T1の機能で気になったことがあるので書いておきます。
Fluentalk T1には、背面カメラを利用した「画像撮影翻訳」という機能を搭載していますが、正直な感想として翻訳精度がかなり低め。
リスニングした言語を翻訳するシステムとは全く別なのか、画像で認識した英語をそのまま直訳する感じで、文書的に表現を丸めてくれないので、内容がわかりづらいです…
通常のワンタップ翻訳や聴講モードであれば、前述のとおりそれなりの翻訳精度で使いこなせるので、これらモードを利用するようにしましょう。
「WT2 Edge」「Fluentalk T1」レビューまとめ
近年、スマホアプリを使った自動翻訳サービスは多くありますが、WT2 EdgeやFluentalk T1といった専用アクセサリーや機器を活用した自動翻訳ツールはそう多くは普及していないのが現状です。
今回、WT2 EdgeとFluentalk T1の自動翻訳機能を使ってみて、互いに場面に応じた適正があることを強く感じました。
比較的近しい人物との言語コミュニケーションであればワイヤレスイヤホンタイプのWT2 Edgeが使いやすい反面、全くの赤の他人であればFluentalk T1の方がツールとして使いやすいと思います。
そして、各機器の翻訳精度はそれなりに高いレベルに達していると思うので、ビジネスレベルを除いた日常会話レベルのコミュニケーションであれば、十分活用できる性能かと考えます。
専門の自動翻訳機器を探している人は、ぜひ「Timekettle WT2 Edge」や「Fluentalk by Timekettle T1」をチェックしてみてください!!
最後までお読みいただきありがとうございました!!
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